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名もなき恋物語【ONE PIECE】

第13章 差し引きゼロ


びっくりして声が出ない。

表情だけで、「どういうこと」と尋ねたら“ロー”が笑った。

ぺ)「昔、この顔に整形した。

それからこうやって時々船長のフリをしてる。」

貴)「…なんで?」

ぺ)「色々と都合がいいからかな。

当たり前だけど俺と船長の能力違うし」

貴)「でも何で整形までして…」

ぺ)「んー……じゃあ、例え話。

今からジャンケンをします。

船長はグーしか出せません。

それ知ったら、クレアちゃん何出す?」

急な質問に首を傾げるけど、普通に考えたら、

貴)「パーかな…?」

ぺ)「でしょ?

だから俺が代わりにチョキを出す」

ペンギンさんの答えを聞くけどわかったようなわからないような…

ううん、と唸りながら首を傾げて手をパーにする。

ぺ)「だから俺は世間に顔を知られたらダメだし、

目立ってもダメ。」

貴)「…なんだか、影武者みたい。」

ぺ)「あ、そんな感じかも。

…でも俺の能力弱いから、俺も船長に助けられてるんだよね。」

ペンギンさんはそう言うと手をチョキの形にして私のパーの手を挟む。

貴)「でも、ペンギンさん能力者だと海軍からマークされない?」

ぺ)「ん?ああ、俺が能力者ってこと仲間しか知らないから大丈夫」

貴)「え、バレてないの?!」

驚いて思わず大きな声を出した。

普通、戦ったらバレる。

いくら目立たないようにしたって、悪魔の実の能力は目立ってしまうのに。

ぺ)「隠してるから」

貴)「そんなこと出来るの……?」

ぺ)「出来るよ」

ペンギンさんは怪訝そうな顔をしているであろう私を“ロー”の目に映す。


ぺ)「バレた奴は消してる」


「だから内緒ね?」と言って、

“ペンギンさん”が笑った。
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