第13章 差し引きゼロ
仕事組。
島に着く度、それをこなす者はローテーションで変わる。
仕事内容も様々だが、今回の内容だけ今までとは異なった。
“ある海賊団を見つける”
そのための情報を、ずっと探していた。
ぺ)「ここ有名な島だし観光したかったんたよなー」
シ)「な!
俺ジェットコースター乗りたい!」
楽しそうに話す2人の背中には、
一味の誇り、ハートの海賊団の髑髏マーク。
ぺ)「おい、はしゃぎすぎて転けるなよ」
シ)「わかってるっつの!
はあ、可愛い女の子と一緒に観光したい…」
彼らが歩く地面には、赤い血の池。
その側に転がるのは、知っている情報を素直に教えず、殴りかかってきたばかりにこうなってしまった者達の姿。
彼らの攻撃は、届くことはなかった。
唯一届いたのは、返り血のみ。
ハートの一味である誇りが映える背中には、
一滴の返り血すら付いていない。
白い服は、圧倒的な“自信の象徴”。
未だにこれを汚せた者はいない。