第13章 差し引きゼロ
ハートの一味が上陸したのは、
国内最大の島、中心島。
貴)「うわ…凄い、人いっぱい」
船を降りてまず見えたのは人。
その後辺りを見渡しても見えるのは人。
しかし視線をいつもより上に持っていくと、建物の隙間から観覧車やジェットコースターが顔を覗かせている。
ロ)「これ持っとけ」
忙しなく辺りを見渡すクレアに渡したものは、
貴)「紙?」
ロ)「ビブルカードだ。
その紙が示す先に俺がいる。」
貴)「へえ…あ、ちゃんとローの方に動いてる」
ロ)「迷ったらその紙を見て俺の元に来い。
無くすなよ」
貴)「…もしかして迷子の心配されてる?」
ロ)「ああ。
まあ逸れなければ問題はないがな」
クレアはローの言葉に少し拗ねた顔をするも、ローは顔をそらして歩き始める。
ロ)「まずは必需品を買う。
不本意だがあの馬鹿でかいモールに行くぞ」
ローが顎で指し示すのは、
人が集まるショッピングモール。