第13章 差し引きゼロ
神の贈り物と呼ばれる国、
“テオドール”
新世界で有名な島の1つ。
…いや、島というより、島々と呼ぶ方が正しいだろう。
多数の小さな島が集まり1つの国家となるこの国には、観光目的で訪れる者も多い。
その中でも圧倒的人気を誇るのは国王が住む最大の島と、それを取り囲む3つの島。
世界の種が見れると言われる花の都、第一島。
美しいさえずりに囲まれる鳥の楽園、第二島。
最先端の技術を魅せる未来への道、第三島。
そして、囲む三つの島に劣ることなくテーマパークや大きなショッピングモールが敷かれ、人気を集める中心島。
それら4つの島の周りにちりばめられた島々にもそれぞれ見所があるが、
端の方にある島はごろつきや海賊が集まるという国の影をもつ。
しかしそれら影をも光に包むような、
空より眩しく濃い紺碧の海。
そこにちりばめられた魅力的な島々。
この国を訪れた者はこう呼んだ。
『紺碧の海にちりばめられた宝石』
と。