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『Dグレ』みんながいるから戦場でも笑っていられる

第6章 孤城の吸血鬼


ジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュル…。

アレイスター・クロウリーは私を腕に抱えたままフランツさんの血を吸い続ける。私は真っ青になって、耳を抑えた。

ジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュル……………ゴクンッ。

「う、うわぁぁぁ!!死ぬのは嫌だァァ!」

村人達が恐怖して逃げ出した。まっ、待って下さい。私も……。アレン達を見ると、イノセンスを発動させていた。

「どうします?」

「どうって……なぁ。とりあえずリオを食べられるわけにはいかないだろ。」

「彼にとっては大事な食料でも、リオや村人たちを殺させるわけにはいきませんからね。」

アレンがイノセンスを発動した左手でクロウリーの足元に向かって打った。砂煙に紛れて、今度はラビが大きくなった槌で攻撃をする。って、え?待って待って待って?私もいるんですけど!!

『つ、潰される!!』

「ラビッ!リオがまだ……」

どうやら土煙に紛れて、アレンが私を奪うつもりだったらしい。しかし、私はがっちりホールドされている。ラビの大雑把!鬼ぃぃ!!

「げっ!?すげぇ歯!」

『嘘!?』

なんとクロウリーは歯でラビの槌を持ち上げたのだ。そしてそのまま槌を持ったラビを投げた。

「うおっ!?」

『うきゃあ!?!?』

何かが私を包み、私とクロウリーの体は持ち上がった。見るとアレンの左手だった。アレンの手に掴まれたクロウリーは片手で私の体を持ち上げ、にやりと笑った。

「リオ、大丈夫でしたか?」

『アレン!!』

「ハッハッハ!!ギャッハハハハハ!!」

突然笑い出したクロウリー。私をつかんでいる手が段々強くなっていく。

「奇怪な童共だ。お前達も化物か?」

「エクソシストです」

「こんばんは。私は忙しいんだ。……放せや。」

ガブッ。

「いっ!」

クロウリーがアレンの手に噛み付いた。脳裏に吸血鬼になって、血を飲むアレンが焼け付いた。

『だ、だめ!アレンを吸血鬼にしたら……』

「うっ…!?ま、まずい。」

『は?……わっ!?』

クロウリーは私をしっかりと掴んだまま、吐きながらその場を去った。

「リオッ!?」

『ラビーー。アレンに噛まれないでよおおおお!!!』
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