第3章 黒の教団壊滅事件
『んー!もう朝か』
私はその後、タップの机の上に溜まった書類だとかのもろもろの処理を手伝わされた。
「終わったぁ!さすがリオ!助かったぜ!」
『タップもジョニーも容量が悪いんだよ。色んなことに手を出しすぎなの』
「俺はともかくジョニーはすぐ倒れるからなー。それで溜まりまくるんだよ」
『……いつか科学班から死人出るって』
私なんて1日徹夜しただけでも死にそうなのに、ここにいる人たちは五日や六日している人たちがいる。素晴らしいワーカーホリックたちが大結成だ。
「お前寝てこいよ。明日から任務だろ?」
『うん。そうする。その前にご飯食べよ』
何よりお腹が減ってならない。私は食堂へと歩き出した。
「あら、おはよっ。まーた科学班にこき使われたの?あんたはファインダーなんだからそんな事しなくていいのよ!ただでさえ危険なんだから!」
『おはようジェリー。任務は明日からだから大丈夫大丈夫。んーと…あったかいうどん頂戴!』
「了解ー!」
ふと辺りを見渡すと、神田が座っているのが見えた。後ろにはまだ新人のファインダーの姿が。数人泣いている人たちがおり、彼らの中に殉職した者たちがいたことは容易に想像出来た。
「昨日までお喋りしていた三人が急にいなくなるんだもの。彼ら、昨日からずっとここにいるわ。さっ、できたわよ!」
もう日常のこととなっているが、人の死というものは相変わらず慣れないな。もう何年もここにいる私でも慣れないのだから、彼らは気持ちの整理が付かないのも当たり前だ。
『ありがとう。ジェリー。』
私はお礼を言うと、いつもの場所へと向かった。
「おはよう。今日もいつものお手伝いか?昨日帰ったってのにご苦労なことだな。」
『あれ?トマは今日からだっけ?』
「そっ。ファインダーも昨日でごっそりいなくなっちまったからな。俺達も忙しいったらありゃしねぇ。」
『…そっか』
ファインダーはエクソシストの何倍もいるが、それでもアクマよりは断然少ない。ようするに人員不足なのだ。しかし、いくら増やしても経験が浅いまま戦場に駆り出されるファインダーはすぐに死んでしまう。
「次の任務では我が身かもしれないってことか。」
「なーに弱気になっているんだい!ようは死ぬ気で死ななきゃいい話だろ?がんばんな!」
『ふふっ。そうだね』