第15章 戻ってきたぞっ!!
「………んんっ……」
目を擦りながらゆっくりと身体を起こす。
寝ぼけながらさっきまでとは感覚が違うことに気付いた俺は、周りをきょろきょろと見渡しながら自分の手を握ったり開いたりした。
…………戻ってきぞ!!!!
「戻っ………!、あ、余り大きい声を出すとブラザー達が起きてしまうな。」
起きると数時間前まで見ていた風景が今と全然違っていて少し驚いてしまった。これが何時もの風景の筈なのにな!
まだ他の兄弟達は気持ちよさそうに眠っている。
それに気が付いた俺は叫びそうになったのを慌てて止めた。
(ブラザー達がまだ寝ているということはまだ午前中だろう。少し頭を冴えらせる為にタバコでも吸うか…)
一松やトド松を起こさないように布団からゆっくりと出てからいつもタバコを置いている机に向かう。
「………ん?なんか書いてある……?なんだ?」
タバコを見つけて取ろうとした時にタバコに何かネームペンで書かれていることに気が付いた。
疑問を浮かべながらタバコを見てみると
”携帯のメモを読んでね! より”
「………!!!…って携帯…?のメモを見れば良いのか?」
が書いたであろう文字にテンションが上がりながら携帯のメモに何が書いてあるのだろうとハテナを浮かべる。
タバコを吸いながらでも見てみるかと、タバコとジッポと携帯をパジャマのポケットに詰め込み階段を降りた。
「母さんと父さんは居ないのか。」
居間に来てみると誰もいない事に気づく。
掛けてある時計を見ると時刻は8時半。父さんは仕事
で、母さんは買い物でも行っているのだろうか?
窓を開けてからテーブルに灰皿を置きながら自分も畳に腰を下ろす。
ジッポでタバコに火を付けて、左手でタバコを持ちながら右手で携帯の電源をつけた。
俺のホーム画面は尾崎だ。イカしてるだろぉ〜?
「メモ……これか。」
俺は余り使わないメモをするだけのアプリを開く。
すると通常何も書かれていない筈(正直一回も使った事がない)の一個のデータに文字が打たれている。
その一つのファイルをタップするとが打った俺へのメッセージが画面に映し出された。