第8章 一日体験〜カラ松視点2〜
「……………演じるのを忘れていた…これからは気を付けないとな、今から迎えに来てくれるみたいだし」
さっきの菜穂美さんの喋り方だと多分の友達(親友?)だろう。
たしか、の喋り方とテンションってどんなだったか…?
そう思いながらあの空間で話した時のことを思い出す。
「………………テンションの高い変態⁇」
喋り方はけっこう今時の子って感じだった。テンションを高くすれば何とかなるだろう。
まだ、こうして考え始めて十分ほどで、まだ菜穂美さんは来ないはず。少しだけの練習をしておこう。
「あーー、あー、…やっほーー!好きなCPは、モブ×六つ子とトド松総攻め!カラ松クラスタのだぞ☆
…………なんか違うな。こんな感じじゃないな……?もっとこう……」
(………というか自分で自分の事を”カラ松クラスタ”っていうのは……変な感じだな)
「なぁーーに、一人でぶつぶつ呟いてんのー?」
(…………⁉︎⁉︎、び、びっくりした……この女性が菜穂美さんか?…多分呼び捨てだろう、当たっていればいいが。)
「…………⁉︎、な、菜穂美……なんでもないよ!」
気配を消して近づいてきていたのか、全然気付かなかった俺は盛大に肩をビクつかせた。…が、なんとかのような話し方をしながら笑って誤魔化した。
「二十分くらいって言ってたのにけっこー早かったね?」
「うん、早くと遊びたかったから早足で来た!」
そう笑顔で答える目の前の女性はより少し身長が高い。茶髪の綺麗な女性だ。
「マジで?そんなに私と遊びたかったの?」
「そりゃーね!それに早く池袋に行きたかったから!
おそ松のグッズ早く見たいし欲しい!」
「そうだね、私もカラ松の新作グッズ欲しい!今日誘ってくれてありがと!」
「ふふふー!んじゃ早速アニメイトに行きますか!」
「おっけーー!」
………というか、疑問に思った事があるんだが。
もだけれど、菜穂美さんもなんで俺やおそ松の事を知っているんだ?というかグッズって……?
まぁ、そのアニメイトってのに行ってみればその疑問の答えが出るだろう。