第10章 我慢
プルルルルルル
彼女の携帯がなった ディスプレイには浩二の文字
このまま放っておけばいつかはなり止むだろう
と思ったが一行になり止む気配がない
このままでは彼女が目を覚ましてしまいそうだ
『…もしもし』
「あ、紫音……じゃないな」
『悪いな、このままならしといたら彼女起きちゃうと思って』
「起きちゃう?お前まさか…」
『想像してるようなことはしてないよ、彼女に嫌われたくないし』
「よかった…」
『最近連絡とってないようだけど』
「ああ、何度も電話したりメールもしたりしてるけど返ってこないんだ」
『それで、なにか心当たりはないわけ』
「それが……」
『ないんだ』
「…ああ」
『それは、連絡したくないわ』
「お前、何を知ってるんだ」
『今回は特別に言ってあげる、女の部下と何度も飲んでるでしょ』
「ああ、たまにだが相談に……あ」
『彼女がそれを知らないとでも思ってた?』
「いや、あれはただの相談に乗ってもらってただけで」
『そうかもしれないけど、逆の立場になってみなよ
俺と彼女もしかしたらとか考えたことあるでしょ』
「っ……」
『ほかの女なら怒鳴って別れてるかもしれないってのに、彼女優しいから私にも何が悪いところが…とか言ってたよ?
そのまま何もしようとしないなら俺が貰っちゃうけどいいいの?』
「それは…」
『あ、彼女起きちゃう
まあ、よく考えなよ、そのうち奪いに行くからね』