第9章 幸せにするのは
『ちょっとトイレー』
「あ・・・」
『ん?どうした?』
「いや、なんでもない・・・」
ふーすっきりした
映画見てる間から行きたかったけど、紫音ずっと離れなかったし、というか僕が離れるなっていったんだけど
あ、もうこんな時間か
『紫音ーそろそろ寝・・・?』
さっきまであそこにいたのに・・・
テレビもつっけっぱなしだけど、どこいったんだ?
『紫音ー?』
僕の部屋・・・じゃないよな
『紫音?』
なんか布団が盛り上がってるんですけど
『紫音?起きてる?』
「・・・うん」
『どうしたの、ていうかよくベッドの場所分かったね』
「さっきちょっと見えたから・・・」
『そっか・・・じゃなくて、なんでここにいるの?』
「だって・・・恭雅トイレ行ってる間にテレビでこわいCM・・・」
あ、だからつけっぱなしだったのか
『それで布団に飛び込んできたと』
「うん」
『もう僕いるんだから出てきたら?』
「うん」
『そんなに怖かった?』
「だってさっきあんなの見たから余計に・・・」
『そうだよな、こんな時間になったし寝るか?』
「うん、でもベッド一個しかないでしょ?」
『そうだね』
「私どこで寝ればいい?」
『このベッドでいいならここで寝て』
「じゃあ恭雅はどっこで寝るの?」
『ソファーかな』
「え・・・」
『怖い?一人で寝るの』
「・・・・」
『じゃあ一緒にベッドで寝る?』
「…いや、大丈夫」
『別に何もしないよ』
「ほんとに大丈夫」
『そっか、じゃあ紫音が寝るまでここにいる』
「いいのに」
『僕がそうしたいの、はい布団にはいる』