第8章 ほらやっぱり
それから何度かバーで会うようになって連絡先も交換した
最近の子にしてはしっかりしてる印象だった
時に群れることも大事だが何でもかんでも一緒に行動すればいいってもんじゃない
この前の新入社員にそう言ってやりたかった
でも、彼女は違った、ちゃんとした子だ
俺はお互いに高め合える人と付き合うのが理想だった
だから年上か、同年代か まさか年下を好きになるなんて思ってもみなかった
彼女を見て俺もちゃんとやらなきゃなんて何度も思った
彼女なら、一緒に…だから人生で数回しかない告白をした
できるだけいいことを言おうとしたけど、緊張で今ではなんて言ったかなんて覚えてない
ただ唯一覚えているのは頷いてくれた時の紫音の顔だけ
すぐに返事をしてもらったわけじゃないけど…
真っ赤になってて、今まで見たことのない顔だった
可愛くて可愛くて仕方がなかった
ただ一つ気になったのは、彼女に自覚がないこと
中学の時のやつが1人、高校の時のやつが1人
もしかしたらもっといるのかもしれない
彼女は自分のことモテてないって言ったけど、きっと違うだろう