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バーでの出会い

第8章 ほらやっぱり




ほら、やっぱりあの時ちゃんと送ってやればよかったんだよ、何してんだ僕は…

全力で走りながらずっと後悔していた



『はぁはぁ』

『いらっしゃいませー』



「あ、奥田!」


『本当に大丈夫か?』


「え?」


『何もされてないんだな?』



「うん…でも、」


『どうした』

「あの外にいるヤツだと思う、さっきからずっといるしこっち見てくる」


『あの野郎か…よし、一緒に出よう』


「うん…」




この時、紫音が手を握ってきた


僕は驚いて彼女の顔を見た


いつもと違う顔…口には出してなかったけど相当怖かったんだろう

でも、その顔が可愛いと思った
だから、手をぎゅっと握り返して少しでも安心してくれるように願った






紫音についてきたヤツは俺達を見てどこかへ行った

彼氏彼女だと思ってくれたのだろうか

それから、紫音を家まで送り届けて僕も家に帰った




__________


さっきはごめん、ありがとう




なんて連絡が来てた

謝るなよ、謝るとしたら僕の方だ

あの時ちゃんと送ってやれば…



__________


紫音は謝らなくていい

これからも、遅くなった時は送る





__________

ありがとう




やっぱり心配になった

いつもそっけなく返信してくるけど今日はいつもと何か違う気がしたから電話をかけた



『もしもし?』


「なに?どうしたの?」


『いや、大丈夫かなって』

「もう、大丈夫だってー」



『いいんだぞ、一応女なんだからこういう時くらい甘えたって』


「一応は余計ですー、でも本当にありがとう」


『いいって』


「じゃあまた」

『うん、おやすみ』


「おやすみ」







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