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バーでの出会い

第5章 自然の中で



「…怒らせちゃった」


そんなに怒ってるとは思わなかった
確かに途中で奥田の顔強ばってたけど
もしかしてそれも浩二が怒ってたから?


いろいろ考えながら歩いていると


『あ!いた!』


遠くから誰かが走ってくるのが見える

『緒方!』


「え?なんで…」



『はぁ、はぁ
さっきお前の彼氏に会った』

「どこで…?」


『ここ真っすぐのとこ』


「というかなんで奥田が『恭雅!』


「え?」


『恭雅って呼べよ、昔みたいに』


「何言って…?!」



突然抱きしめられた紫音は固まってしまった


『俺、ずっと好きだったんだ
だから今日会えたのって運命なんじゃないかって思った
でも、彼氏がいたなんて…早く告白しとけばよかった』


「ちょ、離してよ」

『嫌だ…俺に、しないか?』


「何言ってるの?」


『だって、彼女のこと置いていく彼氏があるか?
アイツよりも俺の方がお前を知ってる、だから…』



『そこまでだ』


「浩二…」


そういうと浩二はふたりを引き剥がした


『コイツに何言われたか知らんが紫音、お前のことは渡さないからな』


『俺、諦めませんから!』


『まだ言うか』


『紫音コイツ嫌になったらいつでもいいからな!』


『だから渡さないって…』


『今日みたいなこと、ましてや泣かせるようなことがあればすぐに紫音を迎えに来るからな!』


『そんなことにはならん、早くどっか行け』


そういうと奥田は去っていった



「…」


『おーい』

紫音の顔の前で手を振るが反応しない


『おーいってば!』


「はっ!」


『はっ!じゃないよ大丈夫か?変なことされてないか?』


「え、あ、うん」


『悪かった、こんな年なのにここまで嫉妬するなんてな』


「うん…」


『おい、ホントに大丈夫か?』


「わかんない」


『どうした』

「だってモテない人生だとばかり…」

『そこかよ』

「だって…」


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