第20章 第零師団は特殊で面白い/過去話/神威と絡みません
第七師団に可愛い夜兎が入団したと聞いた。阿伏兎に確認をとるとそのまさからしい。
まだ幼い子どもだ。受け入れた鳳仙団長は何を考えているのか…。
『もしかしてロリコン説…?』
ないない!と頭を振り、次の任務の星に上陸するためにマントを羽織る。
『いや、待て待て…確か最近鳳仙団長は地球人の娼婦にご熱心だったような?』
これも風の噂だけど、鳳仙団長はココ最近地球と言う星でお気に入りの女の子を見つけたって…。
『いや、どうなんだろ?本人に聞きたいけどヘタしたら殺されそォ』
そんなこんなしていると、窓から見える景色が宇宙ではなく目的の星になり、いつの間にか上陸していた。
『着いた着いた。いやァ今日も今日とて第七師団と第零師団(ウチ)の合同任務だ。楽しくなりそう♪』
廊下から出発する団員達がドタドタと出入口へかけて行く。
私は口角を上げながらゆっくりと向かった。
*
もちろん戦は春雨の勝利だった。怪我人は少なく、相手側も今後協力してくれると了承を得た。
団長曰く、船の燃料の事もあり、数日はこの星に滞在するらしい。
「「お疲れ様です!副団長!」」
『はァいお疲れ様〜』
「副団長は今からどちらに?」
『あー…。特に考えてないんだけど、とりあえず腹ごしらえかな?』
「ならご一緒します!」
「俺も是非!」
『そう?なら皆で行こう』
私たち春雨が宇宙海賊ということはこの星の人達はしらない。観光客にしか見えないだろう。
いつもと同じく傘をさしながら街中を歩いて適当なお店を見つけて入った。
『ん!意外と美味しー』
「ですね」
「このスープいけますよ」
『このお肉も美味しいよ、食べてみる?』
「俺のこの魚と半分こしませんか?」
『いいねー♪』
ワイワイとご飯を食べ進めていると、お店の暖簾をくぐって誰かが入ってきた。
焼き魚を口に入れたままそっちを見ると、知った顔が目に映る。
『あ!阿伏兎じゃーん』
「おー。お疲れさん」
『ここ、隣座るー?それか他に席空いt………鳳仙団長じゃないですか』