第12章 未来の私も変わらない私
大きな扉が開かれると、私以外皆席に座っていた。
游燐から今回の会議内容プリントを受け取り、自分の席に座る。
それを合図に阿伏兎が説明を始めた。
次の取引先と交渉するため、その取引先の敵を潰しこちらに信頼を置いてもらおうという作戦。
突入の第七師団の配置について、皆の意見は割れていた。
「____ここはこの構成にした方がいいかと!」
「いやそこだと、右ががら空きだ!後ろの配置を…」
「なら船を捨てる気か!」
『……』
「左からの攻撃は誰が止める!」
「前は団長が突っ込むだろう!!」
「ここが殺られたら…」
『……』
「阿伏兎~俺疲れたから帰っていい?」
「駄目だ!団長いねェ会議ってなんだよ!」
「ねぇ、も帰りたいよね」
『……』
「あり?」
『(あ~この任務ねェ) その配置より、ここをこーして……』
「が真面目に参加してるじゃねェか…」
隣にいた団員のタブレットをひったくって、スイスイと配置を変えていく。
いつもは寝てるか紙飛行機を作ってる私の行動とは裏腹に真面目に仕事をするのかと阿伏兎は感動していた。
『游燐』
「はい」
『この任務には最低何人必要になる?』
「そうですね、敵の人数にもよりますが、ざっと第七師団半分と言ったところでしょうか」
『そう、なら阿伏兎』
「なんだ?」
『今回の任務配置、タブレットで送信したから』
「おっおう…」
『それと神威』
「なんだい?」
『アンタは今回の任務お休み』
「「「「ハァ!?!?」」」」
じゃあ、とタブレットを阿伏兎に渡し、席を立った。
游燐も後に続いて会議室を出る。
「なんかさん、今日変だよなァ」
「もしかして風邪でもひいてるんじゃないか?」
「あの人が真面目に会議に参加するなんて…」
が去った後でも会議室は騒がしいままだった。
「…………阿伏兎」
「分かってますよ団長」