第4章 いざ、京都へ
緋村さん達が志々雄真実の所へ行ったあと、私たちは少年の両親のお墓を掘った。
少年、栄次くん両親を土に埋め手を合わせ供養をしていると、彼は近くに落ちていたボロボロの刀を手にした。
「ちょっと待ちなさい!あんたそんなモン持ってどこ行く気!?」
少女、操さんは栄次くんの行動を止める。
どうやら栄次くんは志々雄真実の館に行き、仇射ちに行くと言う。
「何言ってんのよ。あんたじゃ無理だって」
「出来る出来ないかの問題じゃねェ!!やるかやらないかだ!!俺はもう独りだ。命なんて惜しくねェ」
その言葉に胸が締め付けられた。
命なんて惜しくないと私も思っていた時があった。
苦しくて辛くて悲しくて、生きる事が嫌になってそして死んだ。
栄次くんと私の境遇はまったく違うけど、それでも思う。
自分の命を惜しくないと言って死んでしまったら後悔する。
これだけはわかる。
私がそうだから。
栄次くんの言葉に操さんは言った。
私も助太刀をする、と。
「は?」
「私は……」
少し言葉に詰まってしまった。
だけど、なんのためにここに来たかをもう一度考える。
緋村さんに会うためにここまで来た。
だけどそれだけじゃない。
私は、私は緋村さんの横に立てるくらい強くなりたい。
「私も行きます」
「そうこなくっちゃ!!」
にこりと笑う操さん。
志々雄真実の館に行く道の途中、操さんは私に言った。
自分も栄次くんの気持ちがわかると。
どうやら操さんは幕末の頃、産まれてすぐ天涯孤独になってしまったらしい。
そんな彼女を預かって育ててくれた人とその仲間を探しているのだと言う。
「蒼紫様と御庭番衆のみんなが殺されてたりなんかしたら、命を捨てても絶対に仇を討つ。だからあの子の気持ちがものすごくわかるんだ」
私は目を見開いた。
操さんは知らないのか。
御庭番衆が死んだことを。
私はあの日のことを思いだして何も言えなくなった。
御庭番衆は死んだ。
私たちが殺したのだ。