第9章 ハレイロ(神谷)
~~♪
窓の外を眺めるカノジョは、鼻歌を歌っている。
「!?」
聞き慣れた曲に驚く。
「その曲…」
まさかカノジョから自分の歌った曲『ハレのち始まりの日』を聞くとは。
「え?」
突然話し掛けられて、驚きの表情を見せる。
「今、鼻歌…」
「え!?私、鼻歌歌ってました?」
少し焦って、顔を伏せる。
しかも、無意識でなんて…
「えっと…うん。」
「恥ずかしいんですけど…」
両手を両頬に添えて、真っ赤になる。
仕草一つ一つが可愛いと思う。
「気付かないのに、その曲なんだ…」
「?何の曲でした?」
目をくりっと開いて、軽く顔を傾ける。
「ん?何だろうね?」
「何でとぼけるんですか?」
少しふてくされる。
「とぼけてないよ。ただ、嬉しかっただけだから。」
「?」
今度は、キョトンとする。
面白いコだなぁ。
百面相をもっと見たくなる。