第9章 ハレイロ(神谷)
「美咲…本当に強引だよ…」
「神谷さんに申し訳ない…。」
「大丈夫!大丈夫!!」
「あ。そうだ!」
「この前忘れたiPod聞いてくれた?」
「あ…うん。これ返すね。」
バックの中から、ブルーのiPodを取り出す。
「人のiPodを聞くのは何か変な感じだよね。」
「たまには普段聞かない曲を聞くのも新鮮でしょう?」
「うん。そうだね。」
「どうだった?」
「良い曲だったよ。」
「そっか。良かった。」
「それで、あの曲は誰の曲?」
「え…」
「あ!!!神谷くんの車だ!!!」
「ささっ。紗友帰らないとね。」
目の前に車が止まり、神谷さんが出てきた。
「どうぞ。乗って。」
「神谷くん。無理言っちゃってごめんね!」
「あはは。大丈夫だよ。」
「じゃあ、私はここで♪」
手を振りながら、美咲は大通りに走って行った。