第9章 ハレイロ(神谷)
「紗友お待たせ!」
「ちょっと電話してた。」
「飲み物頼んだ?」
「うん。さっき頼んで貰った。」
美咲が、席に着き私と男性を交互に見る。
「えっと。こちら紗友。」
「こちらが神谷くん。」
「こうして同じ時間に同じ場所にいれるって言うご縁と言うことで楽しみましょ♪」
パチンと両手を叩き、ニコッと笑う。
すかさず、神谷さんと呼ばれた方が続く。
「ははは。美咲さんは、相変わらず緩いよね。」
「業種も全員違うみたいだし、今日は仕事は忘れて美味しいもの食べようね。」
「よろしくお願いします…。」
私は、少し肩をすくめて頭を下げた。