第5章 my time (柿原)
「ちょっと!徹也さん!?」
「んー?」
私は少し上半身を起こし、徹也さんの肩を揺らす。
「だ・か・ら!!」
「過去のことは気にするなよ。」
「!!!」
「今は紗友の事しか見てないよ。」
目を瞑り、鼻歌を歌う徹也さん。
「もう…」
口をとがらせて、不服を込めたため息をつく。
「そうだ!私も徹也さんのお腹の音聞かせてくださいよ!」
「え…それはイヤだな…恥ずかしいし…」
「徹也さん!それズルい!!」
「俺は良いんだよ~。」
再び鼻歌を歌う徹也さん。
いつか私のペースに持ち込める日は来るんだろうか…
END