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Season~声優さんと一緒~

第26章 confession(雄馬)


「お疲れさまでした。」

プリライでのステージが終わりスタッフが急がしそうに小走りする間を縫って歩く。

楽屋に戻る途中。

目を引く女性の後ろ姿。

その前には宮野さん。

凄く嬉しそうな笑顔。

「おー。雄馬!お疲れ!」

手を振る宮野さん。

「お疲れさまでした。」

そう言えば、目の前の女性が振り返る。

「あ。雄馬くんお疲れ様。」

長くなった髪。

何ヶ月会えなかったんだろう。

貴女に会えるのが、こんなにも嬉しいなんて知らなかった。

「凄く格好いいパフォーマンスだったよ。」

「歌も凄く上手くて。負けちゃいそうでしたよ?」

チラッと背の高い宮野さんを見上げて笑う。

「えー。ヒドいな。でもまだ負けてない?」

「ギリギリですね。」

「それはマズいな。精進しないと。」

クスクス笑う桐島さん。

ずっと笑ってばかり。

よく笑う人。

「雄馬くんの歌ってる姿に感動しちゃった。」

「これからは雄馬くんの歌も沢山聴こう。」

「あ。引き止めちゃってごめんなさい。」

「私はそろそろお暇するね。」

ニコニコ笑って手を振る桐島さん。

ボクの横をすり抜けた。

気付くと桐島さんの腕をとっている。

次にいつ会えるか分からない。

「雄馬くん?どうしたの?」

瞼をパチパチさせ何でも見透かしそうな瞳でボクを見つめる。

「あの。」

「ん?」

「貴女を好きになっても良いですか?」

キョトンとする顔。

当たり前だよね。

ボクも何を言ってるんだろう…。

そして、驚いた顔からニヤけた顔に変化する人。

「雄馬が…告白してる…」

「わーーー!」

宮野さん…貴男の声は通るんですよ…

「マモちゃんが騒いでる。」

「えー何?」

「面白いことであるのー?」

ほら。

続々と集まって来ちゃったじゃないですか…

もう引き返せない。

いや。引き返したくない。

あの時の直感は間違いないから。

「これから全力で行きますので。」

「覚悟して下さい!」

そう言って、その場から走り出した。

何の宣言だよ。

これからどうなっちゃうんだろ。

とりあえず、界人からあの写真貰おう。


打ち上げで宮野さん達に質問攻めにあったのは言うまでも無い…

仕方ないよ。

あの場所で言っちゃったボクが悪いんだから…。

END
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