第26章 confession(雄馬)
「界人くん…それって隠し撮りって言うのご存知?」
髪を耳に掛ける姿を目で追ってしまう。
「いやー。よく撮れてますよね。」
「いや。だからね。アナタは風景とか撮る人だったはずだけど?」
「な?雄馬もそう思うよな?」
一眼レフのモニターを差し出され意見を求められる。
「えっと…はい。とてもお綺麗です。」
「雄馬くんも気を遣わなくていーよ…それはそれで胸が痛い。」
「そんなこと無いです。桐島さんは、とてもお綺麗です。」
ニッと笑うとすぐに視線を逸らされる。
「痛めるほど胸無いじゃないですか…」
横で呟く界人。
すかさず頭を叩く桐島さん。
「痛ぇっ!本気で叩くこと無いじゃないですか!」
「事実だけど界人くんに言われるとイラッとするわー。」
「それにしても、いい音出たね。」
「もう一回やって良い?」
「いい訳無いじゃないですか!」
あはは。と大きな声で笑うと周りのキャストもつられて笑う。
明るい空気が漂う。
初めて見たときは、落ち着いてる年上のお姉さん。
でも共演してみると、元気で明るい人。
そして、よく笑う人。
年上だけど、可愛い人だなって思ったんだ。
ボクはこの人に惹かれてる。
理由は分からないけど。
好きになる。
そんな気がするんだ。