第24章 burn(達央)
「全く…何でこんなに寒いんだよ。」
湯船に張ったお湯に浸かる。
浴槽の端に踵を付けて、軽く足を組む。
視線を移せば、バスミルク。
「アイツは、これを入れてるのか?」
「………俺は入れねーけど。」
浴室には湯気が充満して、息がしやすい。
「最近乾燥してたからな。」
グー
「腹減った…」
紗友は、友人の一人。
何かを強請ったり、遠回しに何かを匂わせたりしない。
一緒にいて、気が楽。
趣味や価値観も比較的似てる気がする。
今日も突然誘った映画にイヤな顔せずに付いてきてくれた。
別に一人で行ってもいいんだけど。
映画を見ようと思ったときに、ふと…紗友の顔が浮かんだだけ。
だから誘ってみただけ。
それだけ。
「さて。出るか。」
ザバンッと音を立てて湯船を出る。
「入れといてやるか…」
バスミルクを手に取り、浴槽へ。
透明のお湯に白い色が広がった。