第24章 burn(達央)
「寒っ」
「何でこんなに寒いんだよ。」
「そんなこと言ったって仕方ないでしょう…」
慣れた手つきで玄関のカギを開ける。
「あー。腹減った。」
「何か食うもん出して。」
「そんな急に言われても…」
「だから、さっき何か食べようって言ったでしょうよ。」
「ん。」
手渡されたカギを定位置のキーケースのフックに掛ける。
「うるせーな。早くしろよ。」
「もう…」
お腹が空いてるせいか、不機嫌な人。
子供みたい。
思わずクスッと笑うと、聞こえたのかチラッと睨まれる。
「すみません…」
つい謝っちゃう。
別に悪いことしてないのに……。