第23章 snow(福山)
見つめ合えば自然と近づく唇。
お互いの白い息が交じり、空へと消える。
瞼を閉じれば近づく体温にガマン出来ずに強く抱き締め口づけを交わす。
夢じゃないんだ。
やっと言えた。
やっと言って貰えた。
やっと触れられた。
やっと触れて貰えた。
唇を放し、瞼を開ければ紗友ちゃんの頬に舞い降りるモノ。
「あと少し早かったら『雪』が嫌いになるところだった。」
そう言うと、不思議そうに空を見つめる。
「あ。雪…!」
「うん…。雪だね。」
見つめ合って、俺達は笑い合った。
そして、今度は深い深い口づけ交わす。
もう…雪に邪魔なんてさせないから……。
END