第21章 Frohe Weihnachten!(柿原)
「痛ぇ…」
腰を押さえ、普段なら何の支障もないマンションのエントランスからエレベーターに乗り込む。
数日前に痛めた腰…
収録中にフッと気を抜いたら突然襲った痛み。
「あれ…ちょっと待って…」
「ん?痛い?」
「え?」
「本気で痛いんだけど…」
「痛ぇ…っ…」
マイク前に移動するのも先輩の肩を借りて…
一歩一歩がロボットみたいにしか進めない。
重い物とか持った訳じゃねーのに。
くしゃみだってしてねーよ。
うん。
ぎっくり腰じゃない。
一つ歳を重ねたけど。
俺は、まだ…34。