第1章 my life (柿原)
「徹也さん?そろそろ起きないと…」
ソファの端に座る私の横で丸くなって眠る徹也さん。
「んー………」
「1時からラジオですよね?」
「ん…」
寝返りを打って、仰向けの態勢になる。
眩しそうに腕を瞼に乗せる。
「今…何時?」
「22時です。」
「あと…10分…。」
「そんな事言って、いつもギリギリまで起きないじゃないですか。」
「んーー。眠ぃ…。」
「徹也さん、一回寝るとなかなか起きないんですから…」
「ジムでひと汗かいた方がスッキリするんじゃないですか?」
「紗友って甘えさせてくれないよね?」
「だって…」
「ん?」
「何でも無いです!」
「本当に可愛気が無いんだよなぁ…」
腕から片目だけ外し、こちらを窺う視線。
「ほら!起きて!シャワーでも浴びて準備してください!!」
本当は…甘えて欲しいし…
甘えさせて欲しい…
でも、そんな我が侭言えないよ。
貴方の傍にいれるのは嬉しいけど…
だって貴方は、独り占めしちゃダメな人だから…。