• テキストサイズ

Season~声優さんと一緒~

第18章 dish(増田)


二人並んで、後片付け。

俊樹くんが洗って、私が水切りに置かれた食器を拭き取る。

最近、より忙しくなるお仕事。

アニメも出演作品も多くなったし、雑誌だって沢山。

この前は、テレビの『イケメン声優特集』で写真出てたし。

キレイな横顔に魅入ってしまう。

すると、バチッと目が合う。

「何?」

「見つめちゃって、惚れ直した?」

ハハッと笑う可愛い笑顔。

「俊樹くんって、イケメンさんだよね。」

「はぁ?何?急に…」

「熱でもあるの?」

指先に付いた泡が付かないように腕で私の額に触れる。

「あれ…無い…」

「熱なんて無いよ!」

その腕を払う。

「この前も『イケメン声優』で、テレビで写真出てたし…」

「俊樹くんは、人気の声優さん。」

「顔も声も、もちろん内面も魅力的。」

「ちょっと待て…急に言われると戸惑う…」

プイッと顔を逸らし、私に顔を見えないようにする。

「ふふふ。照れてる。」

その一言がいけなかったんだと思う。

泡が付いた両手で両頬を挟まれ、泡だらけ……。

「もう!止めてよ!」

「紗友が悪いんだよ?俺をからかうから。」

「本当は、虐めて欲しかったんでしょう?」

「違っ」

俊樹くんの手首を掴んで視線を送れば、目を細めて微笑む。

近づく唇に口づけを予期して、瞳を閉じれば感じる柔らかな感触。

瞼を開ければ、優しい眼差し。

「な?今度はグラタン作ってよ。」

「えっ…。グラタンは…難しいと思う。」

「ホワイトソースとか絶対無理だもん!」

「えーー。そう?じゃあ、一緒に作ろうか?」

貴方の隣に居られる幸せを実感するの。

/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp