第17章 kaleidoscope(津田)
「それ面白いの?」
「んー。面白いですよ。」
そう言って、天井から吊された照明へ向けた筒を覗き込む。
三角座りをしながら、かれこれ10分以上片眼を瞑って同じ姿勢。
「疲れない?」
「大丈夫ですよー。」
チラリと顔を此方に向けて、笑いかけてくる。
ショートパンツに薄い色のボーダーのルームウエアを羽織る。
そう言えば、この前買ったとか言ってたな。
「それ。この前買ったって言ってたやつ?」
ローテーブルに置いたコーヒーを持ち、紗友の後ろに回り込む。
クッションに座っている背中に触れてグッと前に押し出し、その後ろに座った。
両足の間に紗友の体を挟み込み軽く抱き寄せれば、心地良い重み。
「モコモコなんで、気持ち良いんです。」
「触ります?」
そう言って、自分の左腕を擦る。
俺の左肩に頭を乗せて、上目遣いで見つめる姿に俺は抱き締めた腕に力を込めた。