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Season~声優さんと一緒~

第13章 上富夢(遊佐)


「遊佐さん?何してるんですか?」

ふと顔を上げると、最近やたらと話し掛けてくる女のコ。

名前も知らないけど。

「あー。キミか。」

息を吐きながら、視線を手元に戻す。

「オモチャですか?」

「もしかして、飛ぶんですか?」

本当にうるさいな。

僕、ベラベラ喋られるの好きじゃないんだよね。

口から出るのは素っ気ない言葉ばかり。

「キミさ。本当にお喋りだよね。」


「うっ…すみません。」

肩を落とす姿が実は見たかったりもするんだけど。

予想通りの反応過ぎて面白い。


僕から話し掛けたら、どんな反応するのかな。

少し興味がわく。



「さっき、小野坂さんと小西くんのイベントで貰ったんだよ。」


「小型のドローン。」


「あぁ。そう。ほら。」

スクッと立ち上がり、リモコンを手に持ち操作をする。

ブーンっと音を立ててドローンが飛び立つ。

「わぁーー!すごーい!!」

拍手するなんて…予想以上かも。

さっき、小野坂さんに教えて貰った宙返りをさせると、ニコニコ笑って拍手を続ける。


「わぁ!遊佐さんお上手ですね!!」


予想通り…と言うか…
予想以上の反応に戸惑う。

子犬みたいに叱られればシュンとする。
相手をすれば、尻尾をブンブン振るようにはしゃぐ。


分かりやすくて可愛い…

「!?」

からかうはずが、形成逆転してないか…?


ちょっとこれはマズイ気がする。


集中集中!

僕は、ドローンの操作に夢中になったフリをする。


横から感じる視線がすごく気になる…。

いや。気にしてない。

気にしてないよ。

うん。気にしてない。


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