第12章 for You…(前野)
リビングに戻るとテレビを食い入るように見つめる姿を見つける。
随分夢中なんだな。
そう思っているとちょうどCMに入った。
コトンとテーブルへオムライスを置く。
「はい。どうぞ。」
「あっ。ありがとうございます。」
「わぁ。美味しそう♪」
手を合わせて頬の横に添える。
代永さんみたいだな…そう思うと苦笑してしまう。
「?」
不思議そうな視線を感じて咳払いをする。
「味は、あまり自信はないけど…召し上がれ。」
「いただきます!」
スプーンですくい、口に運ぶ。
「美味しい!」
「それは良かった。」
少し得意気だったか…
自分の反応に苦笑する。