第11章 VOICE(達央)
今日で収録が終わった。
初めての主要キャストとしての仕事。
思い入れも一層強くなる。
「諏訪部さん!お疲れさまでした。」
「ご迷惑ばかり掛けて、すみませんでした。」
「桐島は、いつも謝ってばかりだな。」
「え…」
「最初は、どうなる事かと思ったけどよく頑張ったよ。」
ポンッと肩に触れる。
「ありがとうございます。」
「諏訪部さん。セクハラですか?」
声のする方を振り返ると達央さんがいた。
「達か。不機嫌じゃん?」
「そんなことないですよ。」
「ほぼ初対面でチューしたヤツに言われたくないけどな。」
「見えない火花が見える…。」
「前野さん!お疲れさまです!」
キッと諏訪部さんと達央さんが前野さんを睨む。
「おっ俺を巻き込むなよ!」
「打ち上げが楽しみだな~♪」
遠くで鳥海さんが何かを呟いたような気がした。