第11章 VOICE(達央)
「タツ!あんまり絡むなよ。」
共演者の鳥海さんが声を掛ける。
「えー。良いじゃないっすか。減るもんじゃないし…」
「なぁ~?」
そう言って、私の顔を覗き込む。
「えっ…えっと……」
「赤くなっちゃって。かぁわいいっ♪」
頬に柔らかい感触を感じる。
「達!!チューすんな!!!」
横にいた諏訪部さんが達さんを引き剥がす。
『チュー』
その言葉を聞いて確信する。
私…達央さんにキスされてる!?
「浩輔!達をあっちに連れてけ!」
「あいよ~。」
「えー。良いじゃないっすかー。」
ズルズルと達央さんは、数人に引きずられて別の部屋に連れて行かれた。