第3章 ~第二章~沢山の思いやり
―――数ヶ月後――…
(なんだか体が怠い……)
重い身体を引きずりながら、私は執務室へと向かった
―――――……
(やっと終わった……ゼノ様が帰って来るまでに全て終わって、良かった…)
「……っ、…」
(なんだか熱っぽいし、そろそろ限界かも…)
そう思いながら、ふらふらと私は自分の部屋へと向かった。
(……あと、少し…、よし…)
そう思いながら、私は立ち止まっては歩いてを繰り返していた
その時、ふいに視界が歪み身体の力が抜けた
(……っ!!、倒れる…っ)
??「……ユヅキっ!!」
誰かに呼ばれて抱き留められた私は、返事をする間もなく意識を手放した
―――――……
??「……様、ユヅキ様」
(……ん…っ)
重たい瞼を開けると、そこには私の顔を心配そうに覗きこむユーリの姿があった
「あれっ…?ユーリ…?」
ユーリ「ユヅキ様、部屋の前の廊下で倒れたみたいだけど大丈夫…?」
「うん、なんとか……ところで、ここへはユーリが運んで着替えさせてくれたの…?」
ユーリ「ううん、違うよ。…俺が訓練から戻って来て気付いた時には、すでにユヅキ様はネグリジェに着替えてベットに横になっていたから、城の中の誰かじゃないかな?」
そう言ってユーリは、にっこりと微笑んだ
「そうなんだ…あの…ところでゼノ様は……?」
ユーリ「…それが、公務が長引いてるみたいでまだ帰って来てないんだ」
「そう……」
(…私を抱き留めてくれたのは、ゼノ様じゃなかったんだ)
(ゼノ様、早く帰って来て下さらないかな……体調が優れないからか、いつもより心細い……早く、お会いしたいな…)
そう思いながら、私は部屋の窓から綺麗な星空を見上げた