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【HQ】恋愛クロニクル【東峰旭】

第7章 GW合宿 その2


「やっほー清水さん!あ、その子が新しいマネージャーの子?」

ベリーショートが似合ういかにもバレーをやってそうな手足の長いバレー部の人が声をかけてきた。
潔子先輩が「女子バレー部のキャプテン」だとそっと教えてくれる。

「うん、1年生の黒崎さん。」
「黒崎美咲です!初めまして!!」

ほぼ初対面のバレー部の人達に名を名乗ってぺこりと頭を下げる。「そんな緊張しなくていいよ~」と優しい声があちこちから聞こえる。

「澤村がいいマネージャーが入ったって喜んでたよ~。あ、私は道宮結です。一応女子バレー部の主将やってます」

「道宮、『一応』って何よ一応って」

「あはは、やーなんとなく」

「もっと自信持ちなよね」

男子とはまた違う賑やかさに、少しだけ圧倒される。

「あ、ドライヤー使う?コンセントささったままだから、どうぞ!」

私と潔子先輩の濡れたままの髪を見て、道宮先輩がドライヤーのありかを指し示す。
日中は暑く感じることもある5月上旬だが、さすがに夜はひんやりしている。部屋の中とはいえ、濡れたままの髪はひやりとして触れる肌を冷やす。

「ありがとうございます」

お礼を言って、潔子先輩と二人でドライヤーを使わせてもらう。ゴオオオと大きな音で熱風を吐き出すドライヤー。そんな音を全く意に介さないかのように、女子バレー部員達は談笑を続けている。
ドライヤーの音に混じって、時折笑い声さえ聞こえてくる。
女3人よればかしましい、とはよく言ったものだが、気心のしれた者同士が集まればそれはさらに効果を増すようだ。

「あっ、清水さん!男バレの3年のお風呂の時間ってもう終わった?」

ドライヤーの音が止むなり、相原先輩がポニーテールを揺らしながら潔子先輩に食いつくように尋ねた。
相原先輩の勢いに若干押されつつ、潔子先輩はちらりと時計に目をやる。

「今ちょうど入ってる頃じゃないかな。うちの部の割り当ては8時からだったから」

「マジ!?道宮聞いた?!あんた下降りて、澤村出てくるの待っときなよ!!」

「えぇっ?!それストーカーみたいじゃん!!」

「ただでさえ普段練習場所違うんだし、こんな機会めったにないのよ?少しでも会話しなさいよ!!積み重ねって大事なのよ?」

「うー…分かってるけど、でもぉ…」

どうやら道宮先輩は澤村先輩のことが好きなようだ。
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