第44章 久しぶりの団欒
美咲が守と衛輔の顔を見ると、2人とも明らかに目が泳いでいる。
(何か隠してる? あのお祭りは一体……?)
何故2人がその祭りの写真から話題を逸らそうとするのか、美咲には見当もつかない。
何か美咲に知られたくないことがあるような、そんな雰囲気だけは感じ取っていた。
2人が隠すその理由を、気にならないわけではなかった。
けれど、楽しい思い出の写真はまだ他にもたくさんあって、美咲は気にするのをやめた。
1枚の写真に秘められた、ある出来事。
それが自分の運命を大きく変えたことを、美咲はすっかり忘れてしまっていた。