第43章 合宿の終わりと、恋の終わりと、
目をまんまるにさせて驚いている黒崎をよそに、俺はもう一度確かめるように唇を重ねた。
今度は先ほどより少し深く、長い口づけをした。
口づけの後の黒崎の目はとろんとしていて、変な気分になりそうだった。
邪な思いが頭をよぎったことが恥ずかしくて、くるりと背を向ける。
「…そろそろ、戻らないとな」
「そうですね……」
その後のバーベキューの味はよく覚えていない。
ただ他のやつらに気づかれないように、平静を装うのに必死だった。
夏を迎えてようやく、俺と黒崎の関係は動き始めたのだった──。