• テキストサイズ

【HQ】恋愛クロニクル【東峰旭】

第40章 落ち武者は薄の穂にも怖ず


東峰がジャージの裾に目をやると。

そこには、白く小さな手形がくっきりと浮かび上がっていた。

まるでジャージの裾をギュッと握りしめたかのような手の跡だった。
それも小さな子供の。

ー『子供のユーレーも見たんだよ』ー

昨夜の木兎の言葉がふっと頭をよぎる。
まさか、これは、木兎の言う子供のーー?

それではあの時。
黒崎が俺の手を掴む直前、ジャージの裾を引っ張っていたのは……
黒崎ではなくてーー

「おわっ?!旭さん?!」
「旭?! おい旭、しっかりしろー!!」

急に気を失った東峰を抱え叫ぶ菅原の声が、校内に響き渡った。



/ 460ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp