第7章 日曜日
チンと鼻をかむ銀時をニヤニヤしながら眺めて、全蔵はまた空を見上げた。
「おもしれェ女だよなあ」
「出たよ、下手物食いが。何だってそんな負の選り好みすんだろうな。何と戦っちゃってんのってくらい自分に厳しいよ、ソレ。はたから見ると人生罰ゲームみたいになっちゃってっからな」
「ヒゲ子は美人だろ?」
「まぁな。アンタにしちゃ正気に返ったみてェに正統派だな。ヒゲで足癖悪ィけど」
「駄々こきで男付きだしな」
「お姫さんで蹴鞠も付いてるな」
「メンドくせえな」
「おもしれェんだろ?」
「おもしれェなあ」
「どうすんだ?オメエも京に行くか?」
「ハハハ」
柵から身を起こした全蔵が階段へ向かった。
「まあ取り合えず、明日顔出してくらぁ。このまんまじゃジャンプもマガジンも不憫だからな」
「おい」
呼び止められて振り向くと、覚えのある木刀が飛んで来た。
パシンと受け止めると、洞爺湖の字が目に入る。
「・・・何だ、こりゃ」
「銀さんのジャンプ魂だ。連れてけ」
「いや、要らねえし。どうすんの、これ?ヒゲ子に面でも食らわせってか?俺ァ女に手は上げねえよ?」
「いやいやいや、銀さんのジャンプ魂なめんな?何だって出来ちゃうからね、銀さんにジャンプを与えると。可能性の塊になっちゃうから。鬼に金棒どこじゃねえよ、銀さんにジャンプ。そこに魂まで入っちゃうともうマジ凄い事になっから。七武海が十四武海か二十一武海になっちゃうクラスの凄さったらわかる?わかんない?あ、そう。まあさ、ハットリくん、それ使うときはちゃんとトイレに行ってからね?しょんべん袋に具が入ってっとチビっちゃうかも知んねえからさ」
「・・・・・んー、そう言われてもなあ・・・やっぱ要らない感じ?・・・これ、切れないでしょ?NASAどこかフツーのビニール紐さえ切れないんじゃない?・・・・正直邪魔・・・」