第5章 金曜日
「・・・・あのさあ、何なのよ、昨日からこの男前。真面目か何か知らないけど、絡みづらくて疲れんだけど?」
「余計な事言わねえ方がいいぜィ、まるでだめなおっさん。ソイツを苛めると黄金の左が飛んでくらァ。今度ァ集中治療室に入る羽目になりかねねえよ」
「え?綾雁さんがここに来るのか?」
「来たらただじゃおかねぇ。あのメスブタ、人が親切に顔に墨がついてるって教えてやったってのにえれェ目に合わせやがって、バズーガ食らわせて肉団子にして大気圏まで蹴り上げてやらァ」
「お前は綾雁さんに何と言ったんだ、沖田?」
「眉毛ェ繋がってるぜ、メスブタ」
「・・・・部下はちゃんと躾けなさいよ、どうなってんの、アンタらンとこは」
「うるせえ。見舞いに山盛り酢昆布持って来るような訳わかんねえ部下こそちゃんと躾けとけってんだ。病室が酸っぱくて死にそうなんだよ、こっちはよ!」
「酸っぱくて死ぬなんかあり得ねえだろ、お前は。今まで何万本のマヨネーズ啜ってきた口でそんな事言う訳?人類が酸っぱくて絶滅しても最後に立ってんのはアンタでしょうが。酸っぱ界のラストレジェンドが何言ってンだか」
「はっはっはっ、一本とられたな、トシ・・・・あれ?何でナースコールなんか押すの?急変か?大丈夫か!トシ!おい、あ、看護婦さん、コイツが大変・・・・あッ、あッ、止めて!こ、このスピリッツだけは・・・・それがなくなったら俺の入院生活がメチャクチャになっちまうんです!おい、トシ!何だよ、ゴリのスピリッツのせいで喘息の発作なんて、看護婦さん、コイツ喘息なんかじゃね・・・・万事屋あァ!嘘くさい!嘘くさいぞ、その咳!あッ違います、看護婦さんッ、今あそこのもじゃもじゃが吐いたのは血じゃなくてトマトジュース・・・・・ああぁァァ!!ス、
スピリッツうぅぅうゥゥ!!!!」
「どんだけスピリッツによっかかってんの、近藤・・・・駄目だよ、それじゃあ。俺みたくなっちゃうよ?」
「ううッ、くッ、・・・ぐふぅッ、ス、スピリッツ・・・」