第5章 金曜日
「切れねえなぁ・・・・」
「どうすんのコレ。いや読みたいとか言わないよ。俺はもうジャンジャンバリバリのジャンプ派だからね。ヤンジャンなんかどうだっていいし。でもホラ、こういうのは気持ちのモンだからね。ハットリくんが山を越え谷を越えして持ってきてくれた折角の真心な訳だし。別に東京喰種:re読みたいとかそういうんじゃないよ?アレ、海賊王目指してないし、サイコーの囮にもなんないしね。うん」
「てかホント何なのよ、この縄。変だよ。切れないし解けないし、存在抹殺されちゃッてんじゃない、このヤンジャン。あ~あ~、可哀想に」
「養子にしてやれよ、長谷川さん。寂しい者同士、肩を寄せあって生きるのも悪かねえと思うぜ?」
「何で雑誌と肩寄せあって生きてかなきゃないの?どこまで寂しく生きなきゃないわけ、俺は?そんな悪い事した?したっけ?大体読めないんだよ、このコ?どうしろっての?言っとくけど寒くなったらすぐ燃やしちゃうからね。俺もホラ、生きてかなきゃねえし。凍えんのヤだし」
「手ズレでブワッブワになるまで血塗れのスピリッツ読んでるような可哀想なゴリラの戯言なんざ気にするこっちゃねぇ。ソレよりマジ早ェとこソイツを何とかして下せえよ。段々頭に血が昇って来やしたぜ、俺ァ」
「・・・・おい、そんなモンでそんな括り方してるってこたぁ、もしかしてよ・・・・・もしかして、・・・マガジン・・・・売れ残ってんじゃねえのか・・・?」
「・・・・・・バ・・・バカ言ってんじゃないヨ、お前そんな・・・・まさかジャンプも売れ残ってんじゃねえかなんて甘い期待はしないよ、俺は。まさかまさか。天下のジャンプが金曜日に本屋にいらっしゃるなんて、そんなそんな・・・・・・・・・土方くん、キミ、マヨネーズの食い過ぎ。頭にマヨネーズが回って脳みそにとって替わっちゃってるよ?一回病院行って診て貰ったら?飛んでもないレントゲン写真がとれちゃうかもよ?」
「え?ここは病院じゃないんですか?」