第5章 ディルムッドの場合
「やらぬ」
「あげません」
「マスターが食べるのだ」
三者三様に答える。
「あ、アルトリアが又一人増えたっ?!」
叫ぶディルムッドに彼女、赤いドレスに身を包んだ彼女は不思議そうに首を傾げた。
「何を云っている。余こそローマの王にしてローマの華、ネロ=クラウディウスであるぞ。お前もチョコを作るのならばその様に肌を露出していては不衛生じゃ。ほれ、余の前掛けコレクションを貸してやろう」
サラサラと手際よくを彼女はエプロンを彼に着つけた。
白くてフリルで、重ねレースが何とも愛らしいエプロンを。