第41章 月島蛍は審神者である。5
「許す」
云えばシシっと薬研はいつも通りのいたずらっぽい顔に戻る。
「案外絆され易い大将好きだぜ」
「じゃ、アレ、責任持って何とかして」
ツイ、と指差された先には口にポッキーを咥え手でしっかとまんば布代理のブランケットを掴んで山姥切国広に逃げられないようにした三日月宗近が居た。
山姥切は今にも死にそうな青白い顔で必死に月島に助けてほしいという視線を送っている。
三日月は薬研の始めたツイッターを通じて『ポッキーの日』なる祭りが存在する事を知りそれを実行しようとしていた。
一一山姥切国広を相手に。
「爺は老体に鞭打ち蛍の為に気張りきやしたのだぞ。ふぉっくすふぁー触り放題では足りぬ。褒美を与えるのも主の役目であろう?俺は刀だ。だから刀の下賜など要らぬ。俺は『ポッキーゲーム』を所望する。な、山姥切の?」
なる発言から数十分。
三日月は山姥切がノッてくるまで諦めるつもりはないとポッキーを咥え続けている。