第39章 月島蛍は審神者である。3
肩に置かれた手を振り払いながら月島は頷く。
「好きにしてヤッテ…僕はやらないカラ」
山口を伴いベンチに向かう月島。
「手を三角にして…こう」
ぽん、とボールを上げる影山。
それに喰い付く日向。
更にそれに『飛ばわなくては…』等と呟きブロックを見様見真似でする山姥切。
ボールは指先に当たるが軽く跳ねて落ちる。
「山姥切…」
パァとボールを拾い犬の様に駆けてくる山姥切。
「取れてる。被っとけ」
飛んだ拍子に頭から落ちたまんば布を元に戻す月島。
「なんだー、山姥切さんの方がカッコイイからヤキモチかー?」
日向もタオルで滴った汗を拭きながら云う。
「違うよ」
云いながらも月島の隣に座り込む山姥切にもタオルを押し付ける。
「汗臭い奴は部屋に入れないよ」
立ち上がりコートに戻りながら月島は云い捨てた。