第39章 月島蛍は審神者である。3
薄汚れたまんば布を被った青年一一山姥切国広だ。
現代的な服を纏っていてもテルテル坊主の如く布を被るのはやはり異様だった。
「つ、月島、知り、合い?」
流石に何やらどもる菅原に、月島も我に返る。
「え、…と、遠縁の親戚の」
分かるような分からない様な説明にも菅原は頷く。
「つ、き、し、ま!つーきしまっ!誰それ誰!」
「誰ですかゴラァ!」
ぴょんぴょん飛ぶ日向にその後ろに隠れる様に影山。
「来て、山姥切」
呼べばそっと山姥切は月島に近寄ってくる。
そしてその背に隠れた。
「違うでしょ。はい、前出て!」
猫を摘む様にまんば布を掴み前に出す月島。
しかしその肩を掴んでいる。
その様にその場にいた全員が数日前に見た国民的アニメの姉妹を思い出す。
「え、…と、山姥切国広。親戚、みたいな物です」
月島が紹介する。
ペコリ、としっかり一礼して再び月島の肩にしがみつく山姥切。
「おー、月島より小さいけどおっきー!一緒に飛びましょう!」
ひゃっほーっと飛び跳ねる日向に良いか、という様に山姥切は月島を見る。