第37章 月島蛍は審神者である。2
「アンタがそう云うなら……」
羞恥一一ただその一言ながらそれに含まれる幾多の意味を持ち山姥切国広は視線を反らす。
それは自分の負けを認める行為だ。
それに月島は僅かに胸を熱くする。
随一の名刀、三日月宗近すら発心した刀を手中に収めているのは自分なのだと。
「なら、良い」
今度名を呼ばれたらキチンと応えてやろう。
そう思いながら手を離す、一一と、山姥切は何やら眉根を寄せ目をつぶる。
寝る、という瞑り方ではない。
「…………?」
月島が頭に疑問符を浮かべていると、そろそろ、と瞼を開く山姥切。