第3章 一学期
章ちゃんのいない土日を過ごし、月曜日になった。
何度かアラームを過ごし、4回目くらいでようやく起きた。
起きたと言ってもすぐには覚醒しないからまだベッドの上。
ぼーっとしたまま、ふぅ……と息を吐く。
あー……このままもっかい寝たいなぁ……
でももう動かなきゃなあ…。
自分の体に「朝だぞ」っていうのを教えようと、カーテンを開けた。
「!」
開けてすぐに閉めた。
び、びっくりした……。
窓の先には章ちゃんの部屋の窓があって、その章ちゃん部屋の窓のカーテンも開かれてたんだけど、そこからこっちには背中を向けるようにして着替えてる章ちゃんが見えた。……見えてしまったというか…。
幸い、こっちには気づいてないようだけど……章ちゃん、気にしよう?男の子だからって言っても…気にしようよ…。
自分の体に「朝だぞ」っていうのを教えるつもりが、教える前に、びっくりという衝撃で頭が覚醒した。
おはよう、わたし……
先に着替えようと思い、カーテンが閉まってることを確認して、制服に手をかけた。
朝ごはんを食べてると、ピンポンが鳴った。
インターフォンを見ると案の定、章ちゃんだった。
うぅ…さっきのことがあるからちょっと気まずい……いや、章ちゃん気づいてないからわたしだけ気まずい雰囲気出してもダメでしょ……
見てしまった光景を振り払おうと頭を振ると、一瞬クラっとしてしまって弱くはあったけど壁に頭をぶつけた。
「おはよ、」
「おはよお~!」
朝からニコニコと挨拶をする章ちゃん。
バイトもしてたはずなのに……特に何もしてなかったわたしの方が眠そうな顔をしてる気がする。
「もう準備終わったの?わたしまだご飯食べてて……」
「あ、ええねん!全然待つ!……その〜…その代わり…朝課外の課題、見せてもろてもええ?」
ぱし、と胸の前で手を合わせ、片目は上目遣い、片目は瞑るというあざとい仕草で章ちゃんが言った。
…そんなことされたら…いや、そんなことされなくても見せるけど!
「うん、いいよ。待っててもらう間に写してもらったほうが時間もいいだろうし。」
「やったー!ありがとう!」
上がって、という前になれた様子でペタペタと章ちゃんはリビングに入っていった。