第2章 オリエンテーション
きっと、一人で観ていると何も思わないんだろうけど……隣にいるのが章ちゃんってだけで、違う意味でドキドキする。
キスシーンとか観て、章ちゃんはどう思うんだろう、とか…気になってしまう。
ちらりと横を見ても特に気にした風もなく、章ちゃんは頬杖をついてテレビを観てる。
自分だけ意識して……
「ちゃんと腹出さんと、寝るんやで?」
「分かってます!も~〜」
ドラマを一通り観た後、わたしの家でご飯を食べ、すこ~しお母さんも交えておしゃべりした後、玄関先で章ちゃんを見送る。
「ほんなら」
ふわふわと笑い、章ちゃんが手を振って、隣の自分の家に入って行った。
明日は、章ちゃんがいない……。
窓から章ちゃんの部屋に視線を向けたって、章ちゃんはバイト。
少しだけ、寂しい気がした。