第1章 わたしの
厳しい受験勉強、受験を経て、今日から高校生。
中学の時もブレザーだったから、あまり変わり映えのしない制服。
セーラー服、着てみたかったね、と兎希とよく話してた。
「リボン帯、パッチンってするんだ…」
違うのは、リボン帯があるとか、スカートの柄とお揃いのベストがあるとか。
あぁ、あとポロシャツじゃなくてブラウスになったことかな?
「雫ー!章大くんが来たわよ!」
制服と持ち物の最終チェックをしていると、下の階からお呼び出しが。
「今行く!!」
急いでパタパタとスリッパを鳴らしながら一階に降りて玄関へ向かう。
「しーちゃん、おはよう〜」
「章ちゃん、おはよ」
こちらも変わり映えしないみたい。
「やっぱりブレザーだと変わり映えしないね」
章ちゃんの制服姿を見て笑う。
「んー?でもネクタイが増えたでぇ」
ほら、とネクタイをぴろぴろとさせる。
「わたしも、リボン帯」
同じように真似て、リボン帯をぴろぴろとさせる。
ふふっ、と柔らかく笑い、
「ほな行こか」
と歩き出す。
「うん!」
一緒に登校するということも
変わり映えしない
と思いたいけど、
でもやっぱり、章ちゃんにはドキドキする。
少しだけ、不思議なわたしの幼なじみさん。