第1章 烏野高校バレー部、始まる
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土曜日。烏野高等学校。
月島に『無理』と言われた試合を、美月は見に来ていた。
(公式戦でもないし、山口くんが説明してくれた試合内容の感じだと
部外者が立ち入るものじゃないのかもしれない。
それでも隠れて見るくらいなら…)
窓の少しの隙間、背を伸ばして覗いた。
試合は既に始まっていた。
美月はただただ夢中になってその試合を追いかけた。
楽しそうに試合をしている日向の姿に感動するのはもちろん、
他の選手にも目がいった。
特にセッター。日向の速さに正確に合わせるそのトスに目を奪われる。
日向とそのセッターが繋いで繰り出した速攻を見た時、視界がぼやけた。